ぽんこつ日記

ぽんこつな話をしていくよ

タトゥーと銭湯

最近よくスーパー銭湯的なところに行く。温泉名乗ってたりそうでなかったり、とにかくでっかい施設にいくつかの風呂があって露天風呂があって食堂が併設されててごろ寝スペースがあるみたいな。

職場で行き詰まったときに実家によく帰った。実家はなんかホッとできて、そのころずっと続いていた心臓あたりの痛みがすっと無くなるんだ。

親孝行と世話になるお礼をかねて、ちょくちょく田舎の温泉施設に母親を連れていった。自分はそれほどでもなかったけど母親は温泉が好きで行きたがった。

田舎の露天風呂は眺めがいい。都会と違って壁も低めだし、山並みが見えて心なごむんだ。ジャグジーっていうんだろうか、内風呂には大抵泡の出る風呂がある。ジェットバスみたいにびゅーってやつじゃなくてぶくぶくするやつ。

そのぶくぶくに浸かっていたら、なんというか泡にストレスも洗い流されるような気がして、とってもすがすがしい気分になった。当時は本当に病んでいてストレス解消方法を真剣に探していたので、これだ!って思ったんだよ。

ストレス解消なんて真剣に探すもんじゃない。自然に興味が湧いてやりはじめたものがストレスの解消につながるという話であって、たいてい解消のために始めたことなんて新たなストレスになるのが関の山。そもそも何かしようなんて気にもならない。

それでもなんとか苦しみから解放されたくて実家に帰ってプチ旅行してみたりドライブしてみたりとやってみた。で、なんかイマイチだったのがようやく泡風呂でこれだ〜!って感じを得ることができた。

それ以来近所のスーパー銭湯に行くようになった。何度か行くにつれて好みもかわり、露天風呂が好きになった。露天に浸かって空の雲を目で追う。飛行機雲をぼんやり眺める。そのうち外で日光浴をするようにくつろぎながら風に当たって空を見るのがストレス解消になっていった。

いつも行く露天風呂は更衣室が見える。更衣室から露天風呂が見えるというべきか。ある日ぼーっとしてたら窓際のロッカー使う人が目に入った。驚いたのはその人が胸にデッカくワシのタトゥーが入ってたんだ。

いやあんまりにも堂々だからびっくりしちゃったよ。あれ浴室ではタオルかけてるんだね。でも結構鋭い目つきでまわりを威嚇するじゃん。別の銭湯で見たやつもそうだった。腕の真ん中に輪っか状のタトゥー入れてたんだけど、ロッカーキーを巻きつけてごまかしながら肩からタオルかけてた。ダブルタオルってようわからんなと思ったら入墨隠しだったんだ。

タトゥーは文化って言うけど、日本においては結局は威嚇の道具。覚悟云々言うなら銭湯とかくるなよって思う。庶民の憩いの場なんだからさ。

人のいる場に出てきて怖がってもらうのが目的なんだから、そういう行動になるんだろうけど、文化だのなんだの理屈をつけるのが欺瞞に満ちててすっごく嫌。

でもだんだんとアメリカみたいにタトゥーびっしりで肩怒らせてみたいな世の中にはなっていくんだろうね。暴力的なものが基準軸になるっていうのはイヤだし、退化してると思う。

日本も戦国時代のような暴力的な時代があった。そんな頃は引きずるような長い刀持ち歩いたり、婆娑羅な格好したり、今でもマイルドヤンキー的なオラついたクルマが流行ったりしている。

でもちょっと振り返ると80〜90年代はフロントガラスまで黒くして中が見えないフルスモとかあった。そういう意味ではクルマの世界では暴力性は減った印象がある。

江戸しぐさみたいな嘘くさい押しつけがましい価値観もお断りだけど、お互いを尊重する社会が結局は生きやすいんじゃないかなと思う。

なんかタトゥー論からずれちゃったね。